Architect Labo

設計の徒然日記

Archive for 9月, 2011

基礎コンクリート打設

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躯体コンクリートの打設が始まりました。

お施主様側からも1名立ち会い、午前8時前に行われた現場朝礼では本日打設の数量、打設順の説明が工事監督から伝えられ配置開始です。

 

打設に先立って行うことはコンクリートの品質検査です。

コンクリートの品質検査については、このblogでも度々出てきますが、今回も建物の性質から塩化物量の試験はカンタブの「標準品」と「低濃度品」を併用して確認します。

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以前にも書きましたが、技術評価を受けているのは「標準品」であり「低濃度品」ではありません。理屈でいえば「標準品」で検知出来なかったため「低濃度品」で詳細を確認するという順になりますが、このカンタブによる塩化物量の試験は約15〜20分掛かるため、2回に分けて試験を行うとコンクリート出荷から打設完了まで時間が短くなってしまうため、同時に試験を行います。

 

品質試験で合格判定が出ると、いよいよ打設開始です。

打設に先立ってポンプ及びホース内を湿潤させ、初期コンクリートの水分抜けや配管詰まりを防ぐためにモルタルを0.5m3ほど圧送し、続いてコンクリートを圧送しますが、モルタルはコンクリートではありませんので現場に打設することは出来ません。ですから、そのまま生コン車にホースを差し込んで、コンクリートが出てくるまで排出します。

 

本日の計画打設数量は130m3と数量は少ないですが、基礎の打設は浮き枠から吹き出しし易く、形状も複雑で基礎足場があるとは言うものの、上下移動が多いため時間が掛かります。

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打設の最中は、何度かコンクリートの納品伝票を確認し、出荷から現場到着時間、そして打設完了までの時間を計測します。

 

途中、打設数量からいえば不要ですが、これまた建物の性質を考慮してコンクリートの品質検査を2回行い、縦割り3回とました。この2回の検査はスランプと空気量と温度の試験とし、塩化物量試験は行いません。また、あとの2回検査でもそれぞれ圧縮試験用にテストピースを採取します。

 

打設完了は午後4時前、基礎はやはり数量の割りに時間が掛かります。

 

Written by architecter

9月 27th, 2011 at 9:15 pm

Posted in 検査,監理

圧接面で破断

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木造住宅の基礎に用いる鉄筋は、規格の呼び名で主にD10やD13、太くてもD16程度で済むため、重ね継ぎ手と呼ばれる方法を用いますが、鉄骨や鉄筋コンクリート造では、D22、D25、D32、時にはD51など、基礎梁や柱・梁で径の大きな鉄筋を用います。D16までは鉄筋径の○○倍以上といった重ね継ぎ手で鉄筋を延伸していきますが、径の大きな鉄筋ではガスバーナーで接続面を加熱し、半溶融状態にして鉄筋同士を治具で押し付け一本に繋ぐ「ガス圧接」という方法がよく用いられます。

 

一般に鉄筋は最長でも10m、現場搬入や人が持ち運べる重量など考慮すると太さにもよりますが、6m程度の長さが重宝します。しかし、建物はもっと大きな寸法なので定尺の寸法を繋ぐ訳ですが、D16までは重ね継ぎ手、D19からガス圧接若しくは機械式継ぎ手などを用います。

 

ガス圧接を行った場合、その繋ぎ部分の接続強度を確認するために「引張り強度試験」または、「超音波探傷試験」を行います。基本的に超音波探傷試験は非破壊検査のため全数検査としますが、引張り強度試験は破壊検査のため全てを検査することが出来ないので、一日あたりの圧接箇所数と施工者組数からロットを決め、1ロットあたり3本のテストピースを任意の位置から抜き取り、試験機で鉄筋が破断するまで緊張力をかけ、破断した時の力の大きさと破断位置から良否を判定します。

通常、破断した時の力は鋼材の規格数値を上回っていること。また、破断した位置は圧接面ではなく母材の位置であることが合格の基準となります。母材破断の必要性は、圧接面の強度が母材よりも上回っていることを確認するためです。

 

 

そして今回破断したのは、あってはならない圧接面だったことで問題になりました。

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破断してはいけない部分で破断したことにより、全ての作業は一旦停止。原因の究明と対策を検討しなくてはいけません。国交省監修の建築監理指針などを調べてみても、圧接面で破断した場合の処置方法は記されているものの、具体的な原因究明方法やその後の対策については明記されていません。

 

ですからインターネットなども使って対処方法などを検索してみますが、やはり圧接面での破断は相当珍しい事象であるためか、検索ではヒットしませんでした。キーワードを変えて検索してみても、不具合が生じた時の処置方法が記されているのみで、監理指針に記載されている内容と同じものばかりです。

周囲に聞いてみても、圧接面で破断したことは経験が無いという回答ばかりで、実際にどのように進めてよいのか迷ってしまいます。

 

 

施工業者さんでは原因究明の一環として、鉄筋端部処理が圧接面に与える影響を調査するため、わざと端部処理不良材でガス圧接のテストピースを作成し、引張り強度試験で確認作業を進めていました。

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通常、ガス圧接を行う時は、圧接面の鉄筋切り口は直角平滑で健全な鉄部が露出した状況にします。そうするために冷間直角切断機で切断したり、グラインダーで削り出したりする訳ですが、端部処理不良の状況を想定したテストピースとするため、鉄筋端部が剪断切断で錆が発生しているままの状態でガス圧接したテストピースと、更に錆の部分にスプレーで着色したテストピースを作成し、引張り強度試験を行いました。

 

スプレー着色したのは、鉄筋はSD295AやSD345など機械的性質の違う鋼材を混用するため、鉄筋の切断面に着色して鋼材の種類が分かるようにしてある状況を模したものです。

 

結果はいずれも鋼材規格の数値を上回って破断しました。しかし、剪断切断は母材で破断したため問題ないと判断されましたが、スプレー着色は数値を上回ったものの圧接面で破断したことにより、端部処理が圧接面に与える影響について参考になるものと思われます。更に母材破断したテストピースには圧接部分にグラインダーで切れ目を入れてわざと圧接面で破断させ、良好な結果の圧接部分の破断面も確認しました。いずれも破断面は除去しなかった錆が溶融していると思われる茶色の部分が見受けられました。

そしてもう一つ、圧接面にブラインダーで切れ目を入れ、曲げ破壊による圧接面破断の断面も確認しました。

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施工により生じた圧接面破断の断面と、わざと圧接面破断させた断面ではやはり状況に違いが見られます。

施工による破断面は筋状の傷が見受けられ、黒く変色している部分と、明るく銀色に光っている部分がありましたが、試験場では明確な原因特定が出来ませんでした。しかし、可能性として加熱バーナーの火口が逸れたか若しくは直接触れてしまったか、他に考えられる見解として端部処理の不良や鋼材の中の介在物に偶然にも当たってしまった可能性もあるとのことでした。

 

現場での対処として、ガス圧接部分を全数超音波探傷試験により不具合の有無を確認し、続く上階のガス圧接に備え技量試験を行うこととし、発注者・監理者・施工者で方向性を模索しています。

 

Written by architecter

9月 22nd, 2011 at 11:07 pm

基礎配筋が始まりました。

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20110910

鉄筋コンクリート造建物の基礎配筋工事が始まりました。台風12号の影響で工程は3日ほど遅れていますが、自然相手ではなんともなりません(苦笑

 

基礎工事用に設置された仮設足場はかなり背が高く見えますが、基礎梁の増し打ち寸法が大きいため、型枠が建て込んでくるとちょうど良くなります。以前の現場では基礎用の仮設足場設置が不十分だったため梁配筋の上を歩いたこともありますが、鉄筋を乱してしまう原因でもあり、不安定な部分を歩くのは事故にも繋がるので、このようにしっかりとした仮設計画はとても重要になります。

 

月曜日には配筋検査と、ガス圧接部分の引張り強度試験のテストピースを採取するため、組み上がった配筋から抜き取り位置を指示する予定です。過去には引張り強度試験用にテストピースを作成していた業者さんも居ましたが、テストピース用に作成された圧接団子は当然奇麗に出来ているので試験の対象とはしません。現場で組み上げられた鉄筋の中から任意の圧接部分を選ぶ訳で、出来るだけ形の悪そうなものを選びます。また、抜き取った鉄筋はガス圧接によって復旧しなくてはいけないので、その復旧の姿も見届けなくてはいけませんね。

圧接部分の鉄筋引張り強度試験は、ガス圧接によって出来た団子部分を試験機にセットして、実際に鉄筋が破断するまで引張り、破断した時の緊張力と破断位置から結果を判定します。圧接した団子部分で破断した場合はNGとなるため、鉄筋の母材部分で破断するように圧接しなくてはいけません。そして、破断したときの緊張力から鉄筋強度も一緒に確認します。

基礎梁が一段落すると、次は増し打ち部分のガス圧接立ち会いです。

 

Written by architecter

9月 10th, 2011 at 6:45 pm

新しく大規模修繕が始まります。

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新しく大規模修繕の工事が始まるのに先立って、工事着手前の現場確認に行ってきました。場所は伊勢と四日市に各1棟で、何かと三重県にご縁があります。

両方とも鉄筋コンクリート造の建物で、伊勢は外壁改修と地震に備えて玄関扉を建物変形に対応出来るドアに交換します。四日市は屋上防水の改修工事です。

他にも津で新築工事が進んでいますので、これから暫くは1日掛けて伊勢〜津〜四日市と走り回る日が増えそうですね。

Written by architecter

9月 2nd, 2011 at 5:49 pm