Architect Labo

設計の徒然日記

Archive for the ‘住宅’ Category

できる工事監督

件のコメント

私が工事監督をしていた頃、毎日のように大工さんや各業種の職人さんと打ち合わせをしながら現場を巡回していましたが、それでも最多時は着工から竣工間際まで合わせると15棟前後の多棟管理だったため、廻り切れない現場もありました。状況によりけりですが、大工さんが造作工事の段階になると現場は安定して流れていくことが多いので、棟梁にほぼお任せして、問題があれば連絡をもらって確認に行く・・・なんてこともしばしばありました。

その後、設計事務所に勤めていた頃、分離発注で住宅の設計監理と工程管理もしていたため、設計事務所でありながら工事監督のような仕事もしていましたが、当時の師匠(所長)から「現場に行かなくても監理できるように考えなさい」と、「はぁ?」みたいな難問とも言える問題をぶつけられ、面食らったことがあります。

実際、工事監督だった頃を思い返せば、本当に必要な工事確認より職人さんたちと無駄話をしている時間が結構あったかも・・・と思うあたり、移動時間も含めて考えればもっと効率よく現場を廻ることができたはずですね。

 

監督の仕事は「段取り八分」と言われていますが(今でも言うのかな??)、しっかり図面を読み、見積もりや原価管理をしながら、工程表を随時更新して早い手配と適切な確認で工事を効率よく進めるのが本来の姿で、段取りがしっかりできていればミスや職人さんの出戻りも極端に減り、安定した工事管理が出来るようになり、あとは手配通り、図面通りに工事が出来ているのか現場で図面と整合確認で済みます。また、図面がしっかり読めていれば、納まりの難しいところに早く気付き、設計や営業と打ち合わせをして職人さんから質問される前に指示をすることが出来るようになります。そうすると現場での滞在時間も短縮することができますね。但し、そのためには頭の中で作業や工事の流れを組み立てられる知識と経験が必要ですけれどね。

現場で工事作業をする監督は実に多いです。が、その作業は本来職人さんに依頼するものであって、監督の仕事ではありません。お施主様の立場で考えてみても、その道のプロの仕事だから安心するのであって、監督はその道のプロではありません。そのあたりを勘違いしている方も多いです。しかし、現実では誰がやるのか割り振り不明な雑作業が多いのも事実ですし、あえて作業を職人さんと一緒に行う場合もありますが、そうした細かな作業は事前に把握して、予算を割り振り、自分が作業をしなくても良いようにするのも監督に求められる資質でしょう。現場で作業や手直しで忙しそうにしている監督は、一見「できる監督」に見えますが、よくよく本質を考えてみれば、段取りができていないから誰がやるのか分からない作業に追われていたり、適切なタイミングでの確認を怠ったために手直しを依頼するタイミングを逃し、自分でやらざるを得ない状況になってしまっていたり、原価管理や発注が甘く、予定した利益を割り込んでしまうため自分で作業をして稼いだり・・・その結果、本来やるべき手配や段取りの時間が奪われてしまうという悪循環に陥っているケースは結構あると思います。

注文住宅の工事管理は、常駐管理ではなく多棟管理になります。一つの物件でトラブルが発生すると、その処理に時間を取られ、他の現場が手薄になり新たなトラブルが発生するという負のスパイラルに陥りがちです。そうした状況を避けるためにも週に1日程度、そして毎日数時間は事務所で確認や手配に集中する時間を取ると効率は良くなると思います。

今回は監督について書きましたが、もちろん営業・設計もすべき業務を果たした上での話ですよ(苦笑

Written by architecter

3月 28th, 2017 at 7:40 pm

住宅設備ショールーム

件のコメント

また最近行く機会が増えた住宅設備メーカーのショールーム。色々なメーカーを見てまわるとあれこれ面白い部分も見えてきます。

住宅設備・・・一般に「システムキッチン」「システムバス(浴室)」「洗面化粧台」の3点セット、もしくは「便器」など衛生設備を含めて呼ぶこともあります。注文住宅とはいっても、住宅設備まで完全にオーダーで作ることは少ないのが現実。住宅設備は色々なメーカーの中から選択して、金額と内容から決定してくものです。

住宅設備のメーカーと一口にいってもその業態は様々で、衛生設備を含めた4点セットに内装建材や外装材、エレベーターに照明器具まで、住宅丸ごと一件分の材料を揃えた総合メーカーもあれば、システムキッチンや洗面に特化したメーカーもあり、ここ数年では異業種や同業他社が合併して新しい総合メーカーになるなど生き残りをかけた再編が進んでいます。

総合メーカーで代表的なものは「パナソニック」「LIXIL」「TDY(TOTO、大建、YKKAP)」といえばイメージしやすいですね。大都市圏のショールームは規模も大きく、1箇所で全ての住宅設備を見ることができて便利です。パナソニックはパナホーム、LIXILはアイフルホームで、住宅そのものを供給しているメーカーもあります。

住宅設備メーカーのショールームをあちこち見てまわると、それぞれ考え方や販売戦略、価格設定や基本仕様の違いを見ることができて、お施主様の反応も様々です。例えば某総合設備メーカーでは、数ある細かな機能をオプション設定とし、シンプルな構成をベースにして低価格から始めて上積み式になるような価格設定をしています。またあるメーカーは多くのお施主様が要望される機能を標準として盛り込み、ベース価格は若干高くなりますが、それでも「欲しいものが最初から標準で入っている」と思わせることが出来ています。面白いですね!

また実勢価格では、メーカー希望価格を高めに設定し、仕入れ掛け率を大きく引き下げて「お値打ち感」を出すメーカーもあれば、希望価格を低めに設定し、その代わりに仕入れ掛け率はそれほど下げないメーカーもあり、しかし実際完成してみればどちらも入手できる価格はそれほど違いがなかったり・・・あとは各ハウスメーカーの仕入れ努力と利益の考え方によりますね。

 

家を建てるとなると、ハウスメーカーや地元のビルダーに依頼する方が殆どですが、それぞれ仕入れルートや取扱い量の関係で、数ある住宅設備メーカーの中から「どのメーカーでも良いですよ!」と言いつつも、特定のメーカーに誘導され、グレードも予め設定されているのはよくある話です。年間の建築棟数が数棟という会社もあれば数百数千棟という規模まで様々ですが、設備メーカーを限定することで仕入れ数をまとめ、グレードを設定することで更に価格交渉して、スケールメリットで捻出した分をお施主様に還元したり、利益として確保するなど各社企業努力しています。

大手ハウスメーカーは自社ブランドで設備を供給しているところもありますが、そうでないところでは3点セットを一社の設備メーカーに揃えたがる傾向にあります。そうすることでスケールメリットを生み、何か不具合が生じても対応が簡便になるなどそれなりの利点がありますが、実際に色々な住宅設備のショールームを見てまわれば、キッチンは○○メーカーが良い、お風呂は□□メーカー・・・といった具合で、ハウスメーカーの誘導と施主の要望が一致しないケースが生じるのは当然で、設備メーカーを変えると途端に価格が上がったり、打ち合わせがスムーズに進まないことを嫌がるハウスメーカーでは、自社ショールームに各種設備の実物を設置して、そこで全てを決めるケースもあります。

 

住宅設備ひとつとっても業界の裏話的な話題には事欠かないです(笑

韓国の住宅事情

件のコメント

機会あって韓国の住宅事情に触れることが出来ました。

現地スタッフの方と一緒に、ソウルから南へ車で約40~50分ほど走ったところにあるUNJUNG-DONG(ウンジュンドン)のオフィスを拠点に、日本から玄関ドアや窓サッシ、構造材や外壁材にカーポートなど、色々な建材を輸出して施工された物件を中心にあちこち案内して頂きました。

 

パンギョ周辺は、いわゆる富裕層の方達が暮らしている地域で、ソウル市内と比べると敷地もゆったりしていて、住まいの大きさも100坪前後とかなり大きい建物が建ち並んでいます。パッと見た感じ、北米かヨーロッパのような雰囲気が漂っていますね。
この地域では、ほとんどの建物がセキュリティーを導入していて、外壁の窓の両脇にはセンサーが取り付けられているのが印象的です。

IMG_8092

IMG_8131

 

 

外観はデザインを競うような感じで、石貼り、レンガ積み、塗り壁、木製など様々仕上げが採用されていて、日本の住宅展示場のようになっています。

構造は鉄筋コンクリート造が非常に多く、木造は年々増えつつある状況のようです。ツーバーフォーで建築中の建物もありましたが、日本のようにパネル単位のプレカットではなく、ランナー材を組みながら合板を貼っていく現場加工で、非常に手間がかかっています。

IMG_8123 IMG_8153

 

 

とにかく外観のこだわりが強いようです。
正面の庭を囲むようにガラスのカーテンウォールの住まいがありましたが、開放的にしつつセキュリティ面の配慮が感じられ、デザインもシャープで面白いです。韓国は日本に比べて夏は乾いているようで、冬の寒さ対策の方が重要です。ですからガラスのカーテンウォールを見ると「風通しが・・・」と気になるのは日本的な感覚なのでしょうね。

IMG_8161

 

 

建築中の現場も見ることができました。
IMG_8180 IMG_8184 IMG_8187

地震対策は日本ほどではないですが、気にはなっているようです。

こちらの現場もツーバイフォーの床組みの上にオンドルのため60ミリのコンクリートが打ち込んであるとのことで、重量はかなりのものになっています。
床のたわみとか心配ですね。

 

そしてプレカット工場も見学。まだ本格稼働する前ですが、3年後には150棟の生産加工を目指しています。
韓国の人たちのパワーには圧倒されますね!

IMG_8201 IMG_8211

Written by architecter

7月 5th, 2015 at 11:45 am

Posted in 住宅

Tagged with ,

プリンター用のウォールシェルフ

件のコメント

IMG_0416

 

引っ越し以来、取り敢えずデスクの上に仮置きしたプリンターは移動させる先が無いまま数ヶ月が過ぎています。画像の右上に見える大きな物体がプリンターで、染料8色インクでとても表現力が高くて素敵なプリンターですが、とにかく重くて場所をとります・・・苦笑

 

で、ようやく資材も揃ったところで数日が経過。今日は仕事から帰宅して早速ウォールシェルフ(棚板)の取り付けに取りかかります。

ちなみにこのウォールシェルフは上下にアングルなどの金物を取り付けなくても良い片持ちの構造になっているので、見た目に厚さはありますがとてもシンプルな納まりになっています。他にも取り付ける予定がありますので、取り敢えず失敗しても許せるデスク近辺から試しも兼ねて取り付けです。

 

先ずは・・・資材とは別に調達しなくては行けない変成シリコンと仮釘を買いに近所のホームセンターへ一っ走り、帰りに買って帰ろうとして忘れました(汗;

水平をとりながら下地の桟木を打ち付けて、棚板の幅をカットして、接着剤代わりの変成シリコンを塗布してから棚板本体を仮留めして、水平を調整しながら本設置した後に仮釘で固定して24時間放置します・・・と、書くのは簡単ですが、なんだかんだで本設置までに1時間程掛かってしまいました。

 

今回調達した器具で水平器(水準器)がありますが、これを選ぶのに感度と精度に着目です。

感度とは気泡が動き出す時の勾配で、精度は気泡の指示範囲のバラツキとありますが、器具のサイズと精度と価格は必ずしも一致しないものですね。後はマグネット付きかどうか、封入されている液体の色や、JISによれば何等級か・・・くらいでしょうか。

この水平器は感度が±1.0mm/mとありますので、JISでは一番感度に低い3種に該当しますが、工作には充分ですね。

 

 

Written by architecter

2月 23rd, 2015 at 12:56 am

Posted in つぶやき,住宅

換気設備の調整

件のコメント

一種換気を稼働させて暫く経ちますが、家の中は当然ながら上階ほど暖かく、下階ほど寒いです。

暖かい空気は上部に滞留するので、1~3階の吹抜けと、2~3階の吹抜けと、シーリングファン2台で空気の循環はかなり良いですが、やはり温度は上階ほど暖かいものです。

そういえばこの換気設備で小屋裏の空気を1階床下まで送風する機能を付けましたが、スイッチは未設定のまま。小屋裏が暖かければ、その暖かい空気を1階床下に送れるので熱の循環になりますが、今回は天井断熱を採用したため小屋裏はほぼ外気温と同じで寒く、センサーが働いて送風することが出来ません。

メーカーの設置説明書では小屋裏の一部を囲い、直下の天井にガラリを付けて暖かい空気を取り込むようになっていましたが、今回は天井ガラリから直結で1階に暖かい空気を送るようにダクトを引き直しました。

IMG_0312-2

1階床下のダクト出口を見てみると・・・断熱材に密着して出口が塞がっていましたので向きを直して暫く様子見ですね。

Written by architecter

12月 30th, 2014 at 5:20 pm

Posted in つぶやき,住宅,

太陽光発電パネルを壁に取付け

件のコメント

太陽光発電パネルの設置が始まりました。

先ずは屋根から・・・カラーガルバリウム鋼板の縦馳葺きに、通常は横長にパネルを伏せますが、今回は隙間なく効率よく設置するために縦長に敷設することとしました。

そのためには屋根の馳せと直行するようにレールを並べますが、複数の金物を組み合わせてレールを固定するまでに、2名の職人さんでほぼ一日がかりです。

DSC09491

 

DSC09482

写真は仮固定の状態ですが、前後左右、上下と角度も振れるので、既存家屋に設置する場合で屋根に不陸があっても対応可能でよく考えられた作りをしています。

 

今回は縦長に伏せても屋根だけで10kW以上の設置が出来ないため、不足する分を外壁面に設置することにしました。

DSC09530

先ずは外壁面の下地位置出しです。

通気胴縁を打ちつけているため、その位置を確認しながら、壁取り付けレールのビス穴の位置と合わせていきます。胴縁を外すと雨水侵入のリスクが増えるので要注意です。

 

DSC09554

そんなこんなで職人さん2人で約半日かかって、仮固定まで出来ました。南側に建つ住宅から延びる屋根の影も、11月上旬でこれだけ離隔があれば冬至も大丈夫??

冬至は今この時期よりも太陽の南中高度が6°程度下がるので微妙ですね・・・。

 

壁付けは前例が無いので、いきなりお客様の新築工事で試す訳にはいきませんが、自宅なら実験的にokですね(笑

系統連係はもう暫く先ですが、発電量が楽しみです。

Written by architecter

11月 10th, 2014 at 10:07 pm

外装下地

件のコメント

外壁を施工する前の防水処理です。

水蒸気を通して水滴を通さない「透湿防水シート」を施工します。これは水の分子の大きさで分けられ、水蒸気のような小さなものは通しますが、水滴のような大きなものはシャットアウトするものです。シート自体は紙のような感触ですが、細かな繊維が絡み合い、水蒸気のみを通す仕組みになっています。

 

今回はこの防湿防水シートにアルミ加工が施され、熱も反射する優れモノを採用しています。熱の反射とは主に赤外線のことで、夏場は陽ざしからくる室内への輻射熱を防ぎ、冬は屋内からの熱の放射を抑え、魔法瓶のような効果を発揮します。

DSC08595

デュポン タイベックシルバーです。

色々なメーカーから透湿防水シートにアルミ加工を施したものが出ていますが、見た目はよく似ていても中身は全く違うものも見受けられます。デュポンのタイベックシルバーは極細繊維の段階でアルミが蒸着され、それをシート状に製品化されているため、他社のラミネート加工されたものに比べて耐久性は高いようです。

実際、外壁の下地部分は外壁の素材にもよりますが、サイディングや金属系の場合、かなり高温になります。高温高湿の状態でアルミが劣化してしまっては、せっかくの遮熱効果も薄れてしまうので、耐久試験の成績などを見比べてタイベックシルバーを採用しました。

 

DSC08766

シートは優れていても施工するのは人です。

どんなに手間をかけても隙間が出来てしまったり、それに気付かずに外壁を貼ってしまうと後々の漏水事故にもつながってしまうので、要所要所は防水テープによる補強を行います。統計的にどの部分からの漏水事項が多いのか、データに基づいて補強を行う箇所も予め分かっています。

 

DSC08790

配管や配線の貫通部分も入念に防水テープで補強をします。

この後、第三者による外装下地検査も受け、外壁工事へと移行します。

 

Written by architecter

9月 8th, 2014 at 7:57 pm

金物取付け

件のコメント

建て方から約3週間・・・ようやく金物の取付け目処がつきました。

お盆休みもあり、毎日必ず雨が降るような悪天候のなか、大工さんは毎日ブルーシートを捲ったり囲ったりの繰り返しでご苦労様です。

DSC08699

3階建は構造の負担が大きいため、柱脚にはホールダウン金物が多数取り付けられています。基礎から土台を固定するアンカーボルトの他にホールダウン用のφ16の太くて長いボルトも設置します。

以前にも書きましたが、30坪程度の2階建てならホールダウン用アンカーボルトは5~6本程度ですが、今回の3階建は36本もあります。基礎に埋め込む場合は事前に筋違の位置やアンカーボルトと干渉しないように設置していますが、問題は柱頭です。

 

 

DSC08700

当初の予定では、手前の柱頭にホールダウン20kNを2本設置することになっていましたが、現場の納まりで梁下にボルト引きの箱穴があり、ボルトとも干渉するためホールダウンを2本設置することは出来ませんでした。

DSC08588

対策として20kN×2=40kNの金物が7月から発売されたとのことで、今回はこの40kNの金物を設置しすることにしました。

但し、注意したいのは上階へ貫通しているボルトは通常タイプだと40kNの引っ張り強度に耐えられないということで、上部写真のように青く色付けされた高強度のボルトを採用しなくてはいけません。そして、上階の金物も強度のバランスを取るために40kNに変更する必要があります。

 

ちなみに、2枚目の写真に写っている黒いシリンダーのようなものは「制振ダンパー」で、地震の揺れを半分程度に吸収してくれる優れモノです。

Written by architecter

8月 27th, 2014 at 8:48 pm